2023年7月号

2023/07/23

HKT48本村碧唯が卒業コンサートで見せた12年の集大成

HKT48本村碧唯、卒業コンサートにダンス魂を宿す の続きです。

「1期生、集合~!」


 会場が暗転し、「夕陽を見ているか?」のイントロが長めに流れ、松岡菜摘が登場。大きな歓声の中、松岡が言葉を紡ぎ始める。

 「長い間、隣にいてくれたこと、本当に感謝しています。つないだ手を離さずにいてくれてありがとう。離れていても、これからも“なつあお”は続きます。あおいちゃん、卒業おめでとう」

 歌い終え、鳴り止まないほどの拍手と歓声の中、本村が大きな声で「1期生、集合~!」と声をかけて「手をつなぎながら」がスタート。集まった1期生は植木南央、田中菜津美、中西智代梨、深川舞子、村重杏奈、今田美奈、森保まどか、熊沢世莉奈、下野由貴、松岡菜摘。本村を囲んで11人でパフォーマンスした。

 兒玉遥、宮脇咲良の姿は見られなかったが、兒玉は宮脇の卒コンでゲスト出演したことで1期生として本当の意味で卒業ができた。宮脇からは会場に花が届いていたことも記しておきたい。

 本村が時間をかけて準備した最後のコンサート。ある意味いつもの見慣れた卒業生が集まって、劇場公演のような空気が流れ、楽しめた。1期生だけのMCは当時のままだ。村重が入るとにぎやかで、騒がしい。

終盤戦はいつものHKT48


 「意志」から始まった本編の終盤は、久々の元気の良いHKT48らしい代表曲で埋め尽くされた。途中、「大人列車」では、“子供駅”から“大人駅”に向かって列車(トロッコ)で客席を移動した。

 声出し応援が本格的に解禁となり、コロナ禍前と同様のにぎやかなコンサートをメンバー、客席一体となって楽しむことができた。

 もうステージには出てこないだろうと思われた卒業生も再度出てきて「君と虹と太陽と」を歌い、本編が終了した。

青のドレスで登場


 アンコールで本村は青のドレスで登場。「ちょっと長くなりますが」と前置きしたのち、マネジャーやスタッフ、メイク、衣装、秋元プロデューサー、家族、親戚、メンバー、ファンに向けて感謝の言葉を丁寧に述べた。

「メンバーのみんな。全員の成長を見てきて、もう1期生がいなくてもみんなだけでこれからのHKTを作っていけると私は思いました。不安もきっとあると思います。でも自分たちを信じてください。

 今までのように楽しく、だけど新しい魅力の詰まったHKTとして大きくなっていってください。頼んだよ、みんな!

 最後にファンの皆さん。12年間たくさんの愛をありがとうございました。

 私のことが大好きだってずっとそばにいてくれて、とっても心強かったです。
 どんなにつらいときでも力になってくれたみなさんがずっと大好きでした。
 これからもずっと大好きです」


最後は1曲目と同じ「野蛮な求愛」


 スピーチの後、「あなたがいてくれたから」をソロで歌唱。「12秒」、ゲストも呼び込んで「ひこうき雲」。泣き芸のようになっている松岡はなの泣き場面もあれば、1期生がはしゃぎながら風船を割る光景も実にHKT48らしいものだった。

 客電が上がらずダブルアンコール。1曲目の「野蛮な求愛」を再度踊った。

 「野蛮な求愛」はAKB48 50thシングル「11月のアンクレット」に収録された、当時の48グループ全体から選ばれた精鋭のダンス選抜楽曲だ。センターは山本彩。松井珠理奈や先日卒業コンサートを行ったNMB48加藤夕夏もいる。残る現役メンバーはSKE48の斉藤真木子だけとなった。

 14歳で「ダンスでみんなを引っ張っていけるようになりたい」と宣言し、12年をかけて着実に足跡を残した。卒業後はダンススクールの夢もある。ダンスだけでなく、ステージの接し方まで後輩を導いてきた本村は23日、卒業する。

 HKT48が劇場初日公演を迎えた日、秋元康プロデューサーは1期生の前で「HKTは48グループで一番仲のいいグループになりなさい」と言った。本村は最後のスピーチで「(秋元先生の)その言葉のおかげで素敵なグループに成長することができました」と言いきることができた。

 本村の思いが詰め込まれた、晴れやかなコンサートだった。1期生は全て卒業し、新しいHKT48が始まる。私たちは本村や1期生と共にこれからのHKT48を見守っていくとしよう。そして、現役時代には叶わなかったHKT48シングル曲の振り付けの夢が実現する日に思いをはせたい。(岡田隆志)

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HKT48本村碧唯ラストメッセージ「みなさんあっての今の私」 に続く

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