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2021/05/28

峯岸みなみ卒業公演リポート(秋元康手紙全文、ラストスピーチ全文、終演後記者会見全文)

 AKB48峯岸みなみ(28)が28日、都内のAKB48劇場で卒業公演を行い、グループを卒業した。

 最後に届いた秋元康総合プロデューサー(63)からの手紙、峯岸のラストスピーチ、そして終演後の記者会見の全てを公開します。

 堪えていた涙は、最後に届けられた秋元康総合プロデューサー(63)からの手紙で溢れ出た。

秋元康手紙全文


 とうとう峯岸まで卒業か…。一番色々なことがあった末っ子を最後に嫁に出すようで、いいようのないさみしさを感じます。

 ブルーシートで覆われて、まだ工事中だったこの秋葉原の劇場に1期生のメンバーが集まった時、峯岸は13歳の子供でした。

「これから君たちはここで歌って踊り、日本一のアイドルになるんだ。東京ドームでライブをやり、NHK紅白歌合戦に出場して、レコード大賞を取れるようなグループを作ろう」

 こんな狭い劇場で大きな夢を語っている僕の話を、峯岸はどんな思いで聞いていたのでしょう。

 経験のあった峯岸は、ずば抜けてダンスがうまかったことを覚えています。だから「PARTYが始まるよ」公演で、峯岸のダンスをフィーチャーした曲があったのですが、峯岸のダンスがあまりにうますぎて、ほかのメンバーとのバランスが悪くて、すぐに外されたことがありましたね。その時、自信のあったダンスが認められなくて、途方に暮れたことでしょう。

 同時にスタートしたメンバーが次々に人気者になっていく姿を見て、悔しかったでしょう。

 振り返れば、いつも峯岸は「自分はどうすればいいんだろう」と、自問自答を繰り返していたように思います。だから、ノースリーブスのカップリング曲で「私は私」というソロ曲を作りました。あの曲は、峯岸の悩みに対するアドバイスでした。

 そんな環境のせいもあって、峯岸はいつも周りに気を遣うメンバーになりました。メンバーにもファンにもスタッフにも、傷つけたくない。自分も傷つきたくない。だから、心優しい峯岸みなみになりました。

 卒業コンサートに、卒業メンバーがあれだけ駆けつけたり、ビデオメッセージをもらえたのは、峯岸がこれまでどんなに悔しいこと、悲しいことがあっても、腐らずに仲間を祝福して、応援していた優しさの証しです。

 他人にばかり気を使ってしまう峯岸が、厳しい芸能界で歩き出すのは心配ですが、何かあればいつだって、ファンを含めた仲間たちが峯岸のもとに駆けつけてくれると思います。もちろん、僕も駆けつけます。

 峯岸、卒業おめでとう。君の優しさがAKB48をこれまで1つにしてくれていました。今までありがとう。これからの峯岸みなみの活躍に期待しています。

年中反抗期は遠い昔


 秋元氏の要望で、自ら手紙を読み上げた峯岸の顔は、もう涙でぐしゃぐしゃだった。

 同期の1期生には、前田敦子や高橋みなみ、板野友美、小嶋陽菜らそうそうたる顔ぶれがいた。神セブンではなかった峯岸は、「秋元先生は本当にお父さんみたいな存在で…。でも、一時期はもう『ほかのメンバーばっかり』とか、『私になんて興味ないんだ』ってすねて、まるで反抗期の娘みたいに秋元先生とうまく会話ができなくて…」と振り返った。

 だからこそ、自分の気持ちや生き方を全て理解してくれていることが分かった手紙に、涙した。

 「でも、どれだけ秋元先生が今までにくれた言葉が大きいものだったのか、すごく感じています。今からでも遅くないと思うので、この感謝を自分の口で伝えたいと思います。こんな私を見捨てないでくれて、作ってくれて普通の女の子のたくさんの未来を彩ってくれて本当にありがとうございました」。
 まるで最後の1期生として、仲間を代表するように感謝した。

 そして、最後はもちろん、あの曲。これまで多くの仲間たちを、ずっと見送る側で歌っていた「桜の花びらたち」だ。

 「まさか自分が真ん中で歌える日が来るなんて思いませんでした」。

峯岸ラストスピーチ


 AKBに入って15年。いいことばかりではありませんでしたが、どんなときにもこの劇場が私の支えになっていて。学校で嫌なことがあって公演で歌に心を動かされて泣きながら公演をしたこともあったし、メンバーとうまくいかなくてぎくしゃくしたまま立ったこともありました。そして、すごくたくさんの人から否定をされて…、人前に立つのが怖くなった時も…、この場所だけは自分が存在していいような、そんな気にさせてくれました。

 劇場では嘘はつけません。今日ダメだったと思う日もあったり、すごく良くできたと思えた日もあったり、プロとしては許されないことだけど、そんなばらつきもあって、ファンの皆さんにはそれも全部お見通しなんだとびっくりさせられました。

 この劇場にもう立てなくなると思うとすごくさみしくて、こうやってみんなが温かく受け入れてくれた場所が無くなると、すごく不安もあるんですけど、今までたくさんのものを、たくさんのファンの方にもらってきたから、生涯、一生をかけて恩返ししたいなと思っています。

 私は、とてもアイドルとしては立派ではなかったけれど、一緒に歌って泣いてくれるメンバーや、素敵な衣装やステージを用意してくれるスタッフの皆さん、こうやって集まって私の言葉に耳を傾けて応援してくれて泣いてくれたファンの皆さんに出会えただけで、人としては間違っていなかったんだなと、これから強く生きていく自信になりました。これまでAKB48の峯岸みなみを支えてくれて、ありがとうございました。

終演後の記者会見


 ――卒業公演が終わりました

 (22日の卒業)コンサートですごく体力も気力も全部つかっちゃって、公演ってどうなるのかなって、意外とあっけらかんとしてるのかなと思ったんですけど、いざ劇場に立ってみると、特別で唯一無二の場所で、コンサートで完全燃焼したつもりでしたけど、やっぱりさみしくて泣けてきました。

 ――あらためて劇場はどうでしたか?

 ここは本当に夢の始まりの場所で、当時、この劇場を1人の力でいっぱいにできたら、それがまた卒業の時期だったりするんだよといった漠然とした話を聞いたんですけど、(メンバーが)20人ぐらいもいても一桁しかお客さんがいない日もあって、そんな日来るわけないじゃんって、そんなの夢物語のようにって聞いていて、そんな日は来ないだろうと思っていたんですけど、実際に私を見届けようとみんなや家族に集まってもらえて、あの時の夢が現実になったような、夢って叶うんだなって思わされました。

 ――秋元氏からの手紙も届きました

 お母さんか秋元さんなのかなと思ったんですけど、まさか本当に秋元先生とは思わなくて。中学生とか高校生ぐらいのときは、秋元先生にお会いする機会もあって、たくさん声をかけてもらって、自分から質問したりする機会も多かったんですけど、まぁ、途中でグレたり反抗期だったりとかで、なかなかコミュニケーションをうまく取れなかった時間もあったんですけど、それでもやっぱりこうして見てくれていたんだと思うと、今なら素直にいろいろ話せそうな気がして、今こそ秋元先生とお酒を飲みたいなって思います。

 ――どんな話をしてみたいですか?

 AKBの始まりとかの話をあまり聞いたことが無くて、どういう気持ちで作ったのか、これからどんな風になっていってほしいのかとか、そういう当事者だとなかなか聞きづらかったことも、これからいろいろ話せたら楽しいだろうなと。

 ――禁酒はまだ続いています

 (卒業コンサートの後に)飲もうと思ったんですけど、疲れちゃって飲めなくて。今日もたぶん疲れているので、明日あたりに考えておきます。

 ――劇場公演に出られなくなると卒業を実感するとよく聞きますが?

 まだここに立たなくなるという実感が湧いてきていないんですけど。劇場の景色がずっと変わらないので、またコンサートとはまた違った感動があって、中学生の自分が見た景色と、見るものは同じなのにって、感慨深さを感じて、まだここに来なくなるって実感が湧かないです。

 ――卒業公演の曲で印象深かったのは?

 やっぱり「青空のそばにいて」とか「桜の花びらたち」とか、当初の「PARTYが始まるよ」公演で歌っていた曲は、すごく感慨深かったです。

 ――卒コン翌日のAKB48単独コンサートは?

 もちろん、家で17LIVEで見ました。すごく良かった要因の1つに前日のコンサートがちょっとはあるんじゃないかと、ちょっとうぬぼれました(笑)。これに負けないぞって思ってくれた、勢いを感じました。メンバーにはずっと自信を持ってほしかったので、「これが私たちAKB48です!」って意気込みをすごく感じるコンサートで、頼もしいなと思いました。

 ――卒業後に一番してみたいことは?

 えーっ、手つなぎデート(笑)。

 ――爆笑

 あれ、そういうのじゃなかった? でも、やってみたいです(笑)。

 ――アイドル人生に点数をつけるとしたら?

 何点だろうな~。やっぱり今日を迎えてみて100点といって良いと思いました。

 ――峯岸みなみにとってAKB48とは?

 結局、みんな青春とかになっちゃうんだよなぁ~。何だろう、人生そのものだなと思います。これからの人生がより良いものになるのが不安はあります。すごく楽しかったし、いろいろあったし、すごく濃い15年だったので。これからの人生で、これ以上に心を動かすものがあるのかなって不安はあるんですけど、やっぱりコンサートでかっこいい卒業生たちの姿を見て、「これからもっと楽しいことがたくさんあるよ」と言葉もかけてもらったので、自分の未来にも期待したいなと思っています。

笑顔でハッピーエンド


 同期でノースリーブスの高橋みなみと小嶋陽菜。先に卒業した後輩の小嶋真子と西野未姫、そして慕ってくれていた現役の後輩メンバーたちに囲まれて、AKB48を象徴する衣装、赤チェックのロングドレスで、これ以上ない最高に幸せなフィナーレ。

 最後の1期生として約15年半、日本の女性グループのアイドルとして史上最長の5651日もの活動に終止符を打ち、学び舎を後にした。

(写真10枚)

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