2021年5月号

2021/05/14

SKE48松井珠理奈卒業コンサートセルフ解説 (1) ファンに見せたかった未来と感謝

 SKE48最後の1期生、松井珠理奈さん(24)がSKE48を卒業しました。「Forty-Eight Times」ではラストインタビューとして卒業コンサートとSKE48での活動について振り返ってもらいました。ここでは卒業コンサートについて話してもらいました。

 ――どんな意図を持って臨んだ卒業コンサートでしたか?

 今まで卒業コンサートを1日に2回もやった例はないと思うので、ありがたかったです。昼公演は「今後のSKE48の未来を見せる」ことをテーマにしました。後輩たちと私の2人で歌うことも考えたんですが、「大会場で1人で歌うこと」は成長につながるので、彼女たちにその経験をしてほしくて、あの構成にしました。

 ――自分の出演が少ないことへの心配や不安は?

 私のファンの方たちは、私の気持ちも知ってくれているから大丈夫かなと思いました。「後輩を育てたい」という気持ちも分かってくれているので、ラブ・クレッシェンドで(卒業公演に)出演したり、Black Pearl(卒業シングルとなった「恋落ちフラグ」のカップリング曲のユニット)をプロデュースさせてもらいました。

 「このメンバーがこの曲を歌ったら映える、感情がこもる、ファンの方が喜んでくれるんじゃないか」と考えてプロデュースをしたら、好評だったみたいでうれしかったです。


リハで泣いてしまった「センチメンタルトレイン」


 ――昼公演の1曲目は「センチメンタルトレイン」でした

 1曲目は「暗い照明の中でアカペラで始める」と決めていたんです。それに合う曲を考えたときに、1位の総選挙の後に休んでしまっていた申し訳なさもずっとあったので、あらためてしっかりと「総選挙のイスに座っている姿」をファンの方に見ていただこうと思いました。

 「ありがとう」の気持ちを伝えたかったし、サイリウムや笑顔が見えてうるっとしました。

 実はリハーサルでは、めちゃくちゃ泣いて歌えなくなっていたんです。目の前でメンバーのみんなが頼もしく踊ってくれて、それにも感激していました。


ソロパートに秘めた想い


 ――後輩たちにソロ曲を歌ってもらった詳細を教えてください

 選曲だけでなく衣装も、私が選ばせていただきました。野島樺乃ちゃんには、私の卒業曲「Memories」の衣装で、「♪泣きながら微笑んで あなたを見送りましょう」と歌ってもらいました。

 江籠(裕奈)ちゃんには、私の「花占い」の衣装で、「君は僕だ」を歌ってもらいました。「変なとこが似てる」、「上手に生きられない」という歌詞は、江籠ちゃんのまじめさがすごく伝わるし、「君は僕だ」って言いたいから、私の衣装を着てもらいました。

 なぜ「心のプラカード」では、私が(登壇したのか)と思われたかもしれません。あれは、引退された(この曲でセンターを務めた)渡辺麻友さんへの思いで。プラカードには(「マジすか学園」での)「センターとねずみ」を描いて「I miss you」っていうプラカードを出させていただきました。

 あと、私のデビュー時よりも若い小5で加入した林美澪ちゃん。10期生からは1人だけ「Black Pearl」に選ばれたり、いいポジションにいたり、それって私と似ているところがありますよね。うれいしことではあるけれど、きっと孤独だと思うんです。

 だから「虫のバラード」という、1人で力強く生きていくというメッセージ性が強い曲を歌ってもらいました。ただ、若い子が表現するのはずごく難しい曲なので、それに挑戦している姿に、ファンの方たちは、より応援したくなるんじゃないかなと思って選びました。


 ――「愛しさのアクセル」は北川愛乃さんでした

 よこにゃんのいる8期生では、野村実代ちゃん、井上瑠夏ちゃんの「みよまるーちゃん」が注目されています。その中での葛藤もあるし、2人に負けたくないって気持ちもあると思うんです。

 同じチームSだから知っているのですが、劇場公演のメイク前にはいつも1人でステージに残って確認作業をしていたり、すごくまじめで熱心な子。舞台で殺陣をやっていたので、「愛しさのアクセル」で剣を振り回したらかっこいいと思ったのと、海外配信向けに「和」も演出したかったので、歌ってもらいました。


4人のプロレスラーと共演


 ――プロレスラーとも共演しました

 最近、解説をやらせていただいているプロレスリング・ノアへの恩返しの意味もありました。

 ノアファンの方たちって、とても優しいんです。試合で声援ができない今、お客さんたちはサイリウムで応援しているのですが、私のファンの方々が、ノアファンの方たちに、その使い方を教えていたりして交流しているんです。そこへの感謝の気持ちも込めました。大舞台の卒業コンサートを使って、もっとプロレスリング・ノアのことも、たくさんの人たちに知ってほしいなって。

 そしてレスラーの皆さんも、必ずやりきってくれるだろうという4人(丸藤正道、清宮海斗、YO-HEY、稲村愛輝)を選ばせていただきました(笑)。私もテンションが上がって、稲村選手に水平チョップを打っちゃいました。あれはアドリブで、ガチで叩いたらパチーンって音が鳴って、私たち自身もびっくりしてました(苦笑い)。アイドルらしさも見せられたし、おもしろさも見せられて良かったです。


みんなが自分を支えてくれた


 ――「前のめり」「Stand by you」のあたりでは泣きそうになっていました

 「前のめり」は歌詞が卒業にぴったりな曲ですよね。歌詞に「今すぐに走りたい」とか「歩いてもいいんだと大人たちは言うけれど」とあって、以前、秋元先生たちに「珠理奈は急ぎすぎだ」って言われたことを思い出しました。

 休みもしたけど、ここまで
(次ページに続く)

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(2) 全員で作り上げた「強き者よ」 に続く

(写真10枚 ①②③センチメンタルトレイン④⑤⑥心のプラカード⑦わるじゅり⑧⑨⑩ジッパーでプロレスラーと共演)
次ページ以降を含めて写真は合計33枚

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